
旧東急5000系をベースにした2400系を使用してきた定鉄であるが
2400系の耐用期限が迫って来た為後継車両の選択を迫られていた。
その中で、定鉄の極端な運行体制が後継車両の選択で問題となっていた。
藤野・真駒内以北は地下鉄乗り入れなどを行い、札幌市営地下鉄との絡みでラッシュ時は
3分半間隔と言う首都圏並の超高頻度運転を行っているのに対して
簾舞〜定山渓間はラッシュ時で10分、データイムは15分〜30分と
言うローカル線運用が行われていた。
これは南平岸〜東札幌間の平岸支線も同様である。
2400系は2両あるいは3両一ユニットを基本構成として運用されていたため
構内に余裕のある簾舞で編成組み換えを行い対応出来ていたが、後継候補車両は
いずれもワンマン化などには不安が有った。
そこで思い切って運用を分割し、本線用の長編成車と本線区間・平岸線用の
小運転車をそれぞれ用意することが決まった。
小運転用車として候補に上がったのは東急3000型相応の車両新製と
南海電鉄で余剰となり、各ローカル私鉄への売り込みが図られていた
「角ズームカー」22001系である。
この2つの案を比較検討する中で、新製は3000系の車体をかなりの部分で
再設計する必要があること、定鉄の勾配区間へ対応するには出力向上などで
ほぼ別物と化すため、経費が高騰するため見送られ南海車両の譲渡に決定した。
改造自体は先年熊本電鉄へ譲渡された車両同様3扉化改造が目立っているが
定鉄独自の改造として台車のJR711系廃車発生品であるDT38への交換。
大型スノープラウ設置、窓の固定化などが行われている。
当然ながらMG(電動発電機)も大容量の静止型インバーターへ交換され
車内もパーテイションやエアカーテンの設置が行われている。
形式は2600系に続く車両として2700系と改称され、2002年末から2両編成5本。計10両が入線した。
現在、真駒内〜定山渓や市営平岸支線、さらに5500系と連結されて大通にも顔を出している。